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Tokyo Bright Gallery PHOTO CONTEST 2024
​入賞者発表

Tokyo Bright Gallery PHOTO CONTEST2024は厳正な審査の結果、ダビラ・ジョルダニ、
タカハラ エイゾウ、鄭 恒
の3名が入賞いたしました。
多くのご応募をいただだき誠にありがとうございました。

Jordanni Davila(ダビラ・ジョルダニ)

「ソウルメイト」

「愛はすべての人間に生まれ、元の姿を取り戻そうとする。それは二つを一つにし、人間の本質の傷を癒そうとするのだ。

私たちは皆、"人間の全体"の『相応しい半分』であり、常に自分に合う半分を探し求めている。」

​​

ギリシャ神話によると、人間はもともと 4 本の腕と 4 本の足、そして 2 つの顔を持つ頭を備えて創造されたという。

その力を恐れたゼウスは彼らを 2 つの別々の存在に分け、彼らは生涯、自分のもう一つの半分を探し続ける運命にされたのだ。

僕は毎日、それを思い出す。

ある日はその記憶に悩まされ、

また別の日にはそれに触発される。

僕は本当は何を見ているのだろう?

僕は何かを見続けている。

そして、区別がつかなくなる。

僕は自分を見ているのか、

それとも誰か別の人を見ているのか。

それは 13 日の金曜日のことだった。

2 匹の黒猫を見た。

特にお互いに親密な様子だった。

僕は本当に何を見ているのだろう?

僕の中には、君の形をした穴がある。

その空虚さは、君を模している。

最初はペアを見つけるのが楽しくて、それをソウルメイトと考えるのが面白いと思った。だから、僕は彼らを探すべきだと思った。

でも、気づかないうちに、彼らはあちこちにいた。まるで上からのメッセージのように、どこでも彼らを見つけることができた。

それは、家のすぐ外で現れたり、時には家の中からさえ見えるほどだった。

創造によって、設計によって。

運命によって、偶然によって。

なぜ僕はこれらのものが見えるのだろう? なぜ彼らは僕の目の前に現れるのだろう? 家の中にまで、朝起きて

すぐに現れるのはなぜだろう? 家を出てバルコニーを見たとき、買い物袋の中、アイスクリームの中にまで。

これはメッセージなのか?偶然なのか?

それとも、僕はずっと自分と彼女を見ていたのだろうか?

タカハラ エイゾウ
「福島 浜通り中部 風景 2022.03〜2024.05」


 
福島県双葉郡を訪れた日の記録の一部
2022年3月から2024年5月まで
 
wikipediaによれば
福島県双葉郡は福島県浜通りの郡で
人口は2024年9月現在10644人
 
広野町、楢葉町、富岡町、川内村
大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村
の6町2村
 
縄文時代より集落の痕跡が見られる
1896年に双葉郡が発足
 
現在に至る
 
圧倒的な不条理をただ傍観する

鄭 恒燊
「あつみ」

 

熱海という名前を聞くと、 ふっと思い浮かぶのは

海がスカートのように青く揺れる

温度のある風が頬を優しく撫でる

初初しい鼓動を心に刻む

待っていた人との再会をのぞむ

好奇心を抱き、 熱海を訪れてきた

日本で最も小さなストリップ劇場の舞台前、 ショ ーを観に来た観客達が輪になって座っていた。

失恋したばかりの女の子、 家族に内緒で訪ねてきたおじさん、 踊り子を応援しに来た若い男性、 特に目的もなく通りかかった

一見さんなどが、 開幕前にそれぞれの土産話について語っていた。 僕は話しを聴きながら、旅情が自分の身についたと思った。

この小さな箱に集まっていた人々は熱意と哀愁を結びつけた熱海のような眺めを目に焼き付けていた。

淡い泡 染められた空

視界から消えてしまった

軽やかにどこまでも漂っていった

今更分からなかった

ゆめという名と付けられた

温泉や恋人が熱海の象徴となっている。

綺麗に晴れ上がる海辺や賑やかな街で熱い恋人達とすれ迎い、 カップルの純愛が溢れると感じる。 スナックや風俗街は透き通るほど淡い夜に物語を呟く。 ストリップ劇場では、 椎しへの歓声を浴びた踊り子が、 何十年前からこの劇場を経営してきたママさんと劇場の行く末を話し合う。 重なり合った山の奥、 絶え間のない宴会の声が夜の静けさを破っている。 僕はゲストハウスのスタッフに熱悔に惹かれたきっかけを聞こうとした。 「海が好きだから」という答えが思った通り、 多かった。 それ以上のことを聞き出そうとしたが、 相模湾をじっと見つめるうちに、 それだけで十分だと感じた。

MOA美術館でナイアガラ滝の絵と偶然に出会った。 アイルランド人作家のオスカー ・ワイルドの言葉を思い出した。

「巨大なこの滝の眺めは、 アメリカの結婚生活において、 最大とは言わないまでも最初に味わう失望 _ がっかりする出来事の

一つであるに迎いない。 」こういう風に考えてみると、 熱悔で交錯する愛の形はより複雑だと思った。

ここは愛の始まりでもなく、 愛が消える場所でもない。 ただ、 愛がここで派生するのだ。

山頂から下るとき、 雪が街を白く染めながら、 すさまじい早さで僕を追って来た。 視界が曖味になって来た。

雪に染まる街を見渡せば、 その先に海がぼうっとかすんで見えてきた。

「海のはじまりはどこだろう?水平線のおわりはどんな眺めが広がっていくだろう?ね、 あつみ」

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